ボロディン弦楽四重奏団

Borodin Quartet

ボロディン弦楽四重奏団
(c) James Brabazon

室内楽合奏団としては稀にみる60周年を2005年に迎えた。60年の月日を経て数度のメンバーチェンジを繰り返してきたが、チェロのベルリンスキーを精神的支柱に、今なお数多い現代の弦楽四重奏団をリードする存在として第一線での活躍を続けている。ロシア弦楽四重奏の最高峰。


1945年、ワレンチン・ベルリンスキーをはじめとするモスクワ音楽院の学生によって結成された弦楽四重奏団。当初は‘モスクワ・フィルハーモニック・カルテット’として活躍していたが、1955年に旧ソヴィエト連邦政府からロシア五人組(ロシア国民楽派)の一人であった作曲家アレクサンドル・ボロディン(1833-87)の名を与えられたことにより、以後‘ボロディン弦楽四重奏団’としてその名を馳せ、50年代から60年代には既に旧ソヴィエト連邦で最も権威ある弦楽四重奏団として西側諸国でも認められ、伝説のカルテットとなった。リヒテル、ロストロポーヴィチをはじめ、国内外の数多くの一流奏者と共演している。

結成当初からショスタコーヴィチより直に演奏法の指導を受けるなど、「ボロディン弦楽四重奏団なくしてショスタコーヴィチの弦楽四重奏曲は語れない」とも言われており、これまでにショスタコーヴィチ弦楽四重奏曲演奏の決定版として、ウィーン、チューリッヒ、マドリッド、リスボン、ロンドン、パリ、セビリア、ニューヨークなど世界各地で全曲演奏会を成功させている。その他チャイコフスキー、ボロディンなどロシア作品に対する評価が特に高く、その演奏は「4つの楽器ではなく16本の弦が1つになった演奏。他の弦楽四重奏団と一線を画す」とも評されている。

2000年1月には結成55周年記念コンサートをモスクワ、ロンドンで行い、同年夏、英国オールドバラ音楽祭にてベートーヴェンとショスタコーヴィチを並べてとりあげた新プロジェクト"パラレルズ(類似)・アンド・ダイヴァーシティーズ(相違)"をスタートさせ、シュレスヴィヒ=ホルシュタイン音楽祭、続くロンドン・ウィグモアホールでの継続的な全曲演奏会によってそのプロジェクトを完結させた。翌2001年にはクリストフ・エッシェンバッハ指揮/北ドイツ放送交響楽団とともに、同じくベートーヴェンとショスタコーヴィチの弦楽四重奏曲と管弦楽曲を組み合わせた創造的なプログラムを成功へと導いた。
以降近年はシューベルト、プロコフィエフ、チャイコフスキー、ボロディンなど幅広いレパートリーにも一層の磨きをかけ、ヨーロッパ、ロシア、極東、北米へ意欲的なツアーを行っている。クイーン・エリザベスホール(ロンドン)、コンセルトヘボウ(アムステルダム)、国立音楽ホール(マドリッド)、トーンハレ(チューリヒ)、コンツェルトハウス(ウィーン)、ムジークフェライン(ウィーン)、など世界的な主要ホール、また、モスクワの音楽祭“12月の夕べ”、タングルウッド音楽祭、ラヴィニア音楽祭、ザルツブルク音楽祭などでの演奏会は、常に最大級の期待をもって迎えられ、絶賛を博している。

結成60周年の節目2005年には2月のヨーロッパ・ツアーに続き、5年ぶりに来日し《結成60周年記念ツアー》を大成功裏に終えた。

結成当初からのメンバーであるベルリンスキーを中心に培われたアンサンブルの哲学と技術、公演の回を重ねるごとに深みを増す精神性と芸術性によって生み出される彼らならではの響きは、世界中の音楽ファンを魅了して止まず、今なお数多い現代の弦楽四重奏団をリードする存在として国際舞台で注目を集めている。

ショスタコーヴィチ、チャイコフスキー、ハイドン、ベートーヴェン、シューベルト、ブラームスなど多数の録音作品があり、いずれも非常に高い評価を受けている。チャイコフスキーの弦楽四重奏曲録音は1994年にグラモフォン・アワードに輝いた。また、2003年には新たなベートーヴェン全集録音(英国シャンドス・レーベル)に着手している。


左からナイディン、アハロニアン、アブラメンコフ、ベルリンスキー
(c) James Brabazonヴァイオリン
◆ルーベン・アハロニアン(Ruben Aharonian)
エネスク、モントリオール、チャイコフスキーコンクール他、多数の受賞経験を持つ。

◆アンドレイ・アブラメンコフ(Andrei Abramenkov)
25年来のメンバー。

ヴィオラ
◆イゴール・ナイディン(Igor Naidin)
弦楽四重奏の真髄を学ぶべくかつてのメンバーたちに師事。ボロディン弦楽四重奏団の改名当時からヴィオラ奏者を務めてきたディミトリ・シェバーリンの座を継ぐ。

チェロ
◆ワレンチン・ベルリンスキー(Valentin Berlinsky)
結成当時からのメンバー。2005年に80歳を迎えた。


ボロディン弦楽四重奏団
(c) James Brabazon

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